定期検診が重要な理由
昨今、定期検診やメンテナンスを推奨する歯医者さんが増えてきましたよね。当院も予防歯科に力を入れている歯医者のひとつですが、なぜ歯科に限ってそれほどまで予防を重視するのか不思議に思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで今回は、歯科の定期検診やメンテナンスを受ける理由や重要性についてわかりやすく解説します。
お口の病気は自然に治らない
風邪などの感染症は、病院にかからなければ絶対に治らないというものでもありません。そもそも風邪に対して行える治療というのは、発熱を抑えたり、痛みを弱くしたりするなどの対症療法が主体となります。ですから、風邪になっても医療機関にかからず、安静に過ごして治す人も少なくありません。
一方、むし歯や歯周病といったお口の病気は、自然に治ることは稀です。一度かかってしまうと、どんどん進行していって、最終的には歯そのものを失います。実際、日本人が歯を失う原因の第一位が歯周病、第二位がむし歯となっています。それだけに、むし歯や歯周病は予防することが何より重要といえるのです。
定期検診を受けるメリット
歯科の定期検診を受けると、むし歯や歯周病を早期に発見できます。とくに歯周病は自覚症状に乏しく、気付いた頃には重症化していることも多いため、定期的にプロのチェックを受けることが大切です。むし歯も定期検診で早期に発見できれば、削らずに治せることもあります。
3ヶ月に1回程度の頻度で定期検診・メンテナンスを受ければ、むし歯や歯周病を予防することも難しくなくなります。予防することができれば、治療の必要性がなくなり、痛い思いをしなくて済みます。
治療を繰り返すと歯の寿命が縮まる
むし歯によって歯質が溶かされても、現状、さまざまな材料によって補うことができます。セラミックを選択すれば、天然歯に限りなく近い状態まで回復させることが可能です。
けれども、セラミックの歯も万能ではありません。時間が経過していく中で、むし歯が再発していくこともあるでしょう。歯科治療は繰り返せば繰り返すほど、歯の寿命が縮まっていくことを改めて確認しておきましょう。
正しいケア方法を学べる
歯科の定期検診では、お口の中の異常を診査するだけでなく、衛生状態もしっかりと評価します。磨き残しが多い部位などもわかりますので、セルフケアのブラッシュアップにも寄与します。むし歯や歯周病を予防する上で最も重要なのは、ご自宅での口腔ケアです。定期検診では、最適なブラッシング方を学べるという大きなメリットもあります。
歯磨きでは落とせない汚れがある?
歯面に形成される汚れといえば歯垢(プラーク)が有名ですが、実はそれ以外にもバイオフィルムやステイン、歯石といったものも存在します。いずれも歯ブラシによるブラッシングでは落とすことのできない物質であり、放置することでむし歯や歯周病のリスクも上昇します。そこで有用なのがプロフェッショナルケアです。
定期検診でご来院いただいた患者さまには、歯のクリーニングも実施しております。専用の器材と薬剤を使って、歯面の汚れを機械的に除去します。その結果、むし歯や歯周病のリスクを大幅に引き下げることが可能となるのです。
まとめ
このように、定期検診はいわゆる「健康診断」とは異なる点が多々あります。単にむし歯の有無を調べるだけでなく、予防効果を高めるためのプロフェッショナルケアまで受けられるからです。むし歯や歯周病を予防したい、早期発見したいという方は、是非とも定期的に検診を受けてください。