歯ぎしりと歯並びにはどんな関係がある?
皆さんは、歯をギリギリとこすり合わせる「歯ぎしり」が習慣になっていませんか?強いストレスがかかった時や集中している時、眠っている時などに起こる歯ぎしりですが、実はお口やその周囲に深刻な悪影響をもたらすことがあります。今回はそんな歯ぎしりと歯・歯並びへの影響についてわかりやすく解説します。
歯ぎしりは実害を感じにくい習癖
歯科的には、歯ぎしりが有害であることは明白です。けれども、一般の人からするとそれほど深刻には捉えにくいものですよね。なぜなら、歯ぎしりの多くは無意識のうちに起こっているからです。とりわけ就寝中の歯ぎしりを自覚できる人はほとんどいません。ですから、歯ぎしりが習慣化していたとしてもついつい放置しがちです。
歯ぎしりによる悪影響とは?
歯ぎしりによって生じる力は、成人男性で100kgに及ぶとも言われています。それだけに力が歯や歯周組織、顎の関節にかかるのですから、さまざまな悪影響が生じても何ら不思議ではありませんよね。
歯の摩耗・破折
長年、歯ぎしりや食いしばりといった“ブラキシズム”がある患者さまは、歯の噛む部分を見ればすぐにわかります。咬耗(こうもう)と呼ばれる歯の摩耗現象が認められるからです。症状が強い場合は、歯が一部欠けているようなこともあります。歯が摩耗すると、虫歯にかかりやすくなったり、知覚過敏の症状が現れやすくなったりするため要注意です。
歯茎・歯槽骨の炎症、破壊
歯ぎしりは、歯周組織に炎症をもたらす「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」の原因となりやすいです。その結果、歯茎や顎の骨が破壊されていきます。
歯並び・かみ合わせの異常
歯が摩耗すると、噛み合わせが悪くなります。歯周組織が破壊されると、歯が動揺するようになります。これらの症状が組み合わさると、歯並びが乱れていくのは容易に想像できますよね。さらには、噛む行為の支点となる顎関節にまでしわ寄せが及び、顎関節症を引き起こすケースも珍しくありません。
もちろん、歯ぎしりによってそこまでの異常がもたらされるにはかなりの年月を要しますが、ブラキシズムにはそうしたリスクがあることを知っておいてください。
歯歯医者で歯ぎしりを改善する方法
歯ぎしりのような悪習癖は、いろいろな方法を組み合わせて改善していくものですが、歯医者では主にスプリント療法を実施します。ナイトガードと呼ばれるマウスピースを眠る前に装着することで、就寝中の歯ぎしりによる悪影響を軽減できます。その結果、歯の摩耗や顎関節の炎症を緩和することが可能となるのです。
まとめ
このように、歯ぎしりは歯の摩耗や亀裂、歯並び・かみ合わせの異常、顎関節症をもたらし得る有害な習癖です。放置によって得られるメリットは何一つありませんので、歯ぎしりに気付いた時点で改善するよう努めましょう。ケースによっては歯科的なアプローチも必要となることから、まずはお気軽に当院までご相談ください。