お子さまにこんな癖はありませんか?
子どもは大人と異なる点が多々あるため、ちょっとした癖が目立ってもあまり気にしないものですよね。“大きくなったら自然になおるだろう”と軽視されがちな子どもの癖ですが、その種類によっては身体の発育を遅らせる、あるいは邪魔することがあるためご注意ください。今回はそんな注意すべき子どもの癖について、お口周りに焦点を当ててわかりやすく解説します。
最も注意すべきなのはお口ポカン(=口呼吸)
まず始めに、注意すべき子どもの癖を列挙します。
- 口呼吸
- 指しゃぶり
- 舌を突き出す癖(=舌突出癖)
- 爪を噛む癖
- 唇を噛む癖
これらはいずれも注意すべき子どもの癖なのですが、その中でも注意すべきなのは「お口ポカン」です。子どもがお口を半開きにしていると、可愛い、無邪気といった良い印象を抱きがちですが、健康面や発育の面においては悪いことしかありません。具体的には、子どもの口呼吸によって以下に挙げるデメリットが生じます。
風邪を引きやすくなる
鼻腔には病原体を排除する仕組みが存在しているだけでなく、天然の加湿器のような機能も備わっていることから、吸い込んだ空気がそのまま気道へと送り込まれることはありません。つまり、鼻なら細菌やウイルスが繁殖しにくいような状態で呼吸することができるのです。一方、口腔にはそのような機能は備わっておらず、吸い込んだ空気はダイレクトに喉の奥や気道へと送り込まれることになります。その結果、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などにかかりやすくなるのです。
虫歯・歯周病のリスクが上がる
口呼吸をしていると、お口の中が乾燥しがちになります。唾液には虫歯菌・歯周病菌の活動を抑える働きがありますが、乾燥してしまったらその機能も十分に発揮できません。虫歯菌・歯周病菌が活動しやすい環境となり、それらの発症リスクも上昇するのです。
お口の筋肉が弱くなって顎の発育が遅れる
口呼吸の意外な弊害としては、お口周りの筋肉が弱くなることと、顎の骨の発育が遅れることが挙げられます。お口ポカンの状態がなぜそのような弊害を生むのかよくかわらない方も多いことでしょう。これは口呼吸をしていると、口腔周囲筋が弛緩してしまうからです。使っていない筋肉というのはどんどん小さくなっていきますよね。しかもそれが成長期に起こると、筋肉にフレームとなっている顎骨の成長が止まり、さらなる悪影響をもたらします。それが歯科でもよく問題になる、歯並び・噛み合わせの異常です。
歯並び・噛み合わせが悪くなる
口呼吸で顎の骨の発育が遅れると、歯をきれいに並べるためのスペースが不足します。小さいお子さまの出っ歯や乱ぐい歯などは主にこれが原因となっています。ですから、口呼吸が長い期間続いてしまうと、歯並び・噛み合わせに取り返しのつかない問題を引き起こすリスクが生じるのです。
その他の子どもの癖について
口呼吸以外のお口の癖も歯並び・噛み合わせに深刻な問題をもたらすことが多いです。冒頭で述べた習癖・習慣で何かひとつでも当てはまるものがあれば、注意して見守る必要があります。指しゃぶりや爪を噛む癖などは、子どもであれば当然のような習慣ですが、いつまでもなおらない場合は歯科での治療が必要となることもありますので、不安な場合は当院までご相談ください。
まとめ
このように、一見すると愛くるしい子どもの仕草や癖もケースによっては身体の発育・成長に大きな異常をもたらすことがあります。お子さまのお口の癖で少しでも気になることがあれば、一度あかお歯科医院までご連絡ください。これからの成長に支障がないかをお調べします。