乳歯列期に注意すべきこと
子どもの歯である「乳歯」は、生後6～8ヶ月ごろから生え始めて、3歳くらいまでには生えそろいます。そして最初の永久歯が生えてくる6歳くらいまではいわゆる乳歯列期が続くことになります。今回は子どもの歯だけで構成された乳歯列期に注意すべきことを詳しく解説します。
歯の本数の異常
乳歯は全部で20本生えてきます。これが少ない場合はもちろん、多い場合も色々なトラブルの元になるため注意が必要です。
乳歯の先天性欠如
乳歯の先天性欠如（せんてんせいけつじょ）とは、始めから乳歯の数が少ない異常を指します。適切な時期にパノラマレントゲン撮影を行うことで、標準よりも数が少ないことがわかります。乳歯はいずれ永久歯と生え変わる歯なので、数が少なくても問題ないのでは？と思われるかもしれませんが、実際はデメリットが大きいことが多いです。なぜなら、乳歯の数が少ないことで、永久歯が生えてくるためのスペースも不足してしまうことが珍しくないからです。また、乳歯の先天性欠如がある場合、次に生えてくるはずの永久歯も欠如していることがある点に注意しましょう。
乳歯の過剰歯
乳歯は、本来の数よりも多く生えてくることがあります。専門的には「過剰歯（かじょうし）」と呼ばれるもので、形がいびつであったり、生えている位置が異常であったりすることから、歯としての正常な機能を果たせないことが多いです。また、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に入っても残り続け、永久歯の歯並びを悪くする原因にもなりかねません。
子どもの歯並びの異常
乳歯列は永久歯列と異なる点が多々あります。まず目につくのが歯と歯の間の隙間です。永久歯列は基本的に隙間がなく、すべての歯が密着する形で並んでいます。仮に隙間があった場合は、すきっ歯などの歯並びの異常と判断できますよね。一方、乳歯列には基本的に隙間があり、すきっ歯の症状が現れていると不安に感じることかと思いますが、多くの場合でそれは正常です。なぜなら、乳歯は20本しか生えてこないのに対して、永久歯は親知らずを除くと全部で28本生えてくるからです。これから今よりもたくさんの歯が生えてくるのに、スペースにまったく余裕がなかったらその方が問題ですよね。ですから、乳歯列ですきっ歯の症状が認められても、積極的な治療が不要なケースが多いといえます。ただし、出っ歯や受け口、開咬（かいこう）などは永久歯列と同様、矯正治療が必要となるケースが多いため、気になる症状が現れたら当院までご相談ください。
生まれた時から歯が生えている？
お子さまによっては、生まれた時から乳歯が生えていることがあります。これを専門的には「先天歯（せんてんし）」と呼び、粘膜を傷つけたり、授乳を困難としたりする場合は、何らかの歯科処置が必要となります。とくに悪影響を及ぼしていない先天歯は、そのまま経過を見ていくことになります。
まとめ
今回は、子どもの歯だけで構成される乳歯列期の注意点について解説しました。歯の本数や歯並びなど、永久歯とは違った点が多く見られるため、保護者様は正しい知識を身につけておくことが大切です。そんな子どもの歯や子どものお口の健康についてさらに詳しく知りたい、子どもの虫歯予防を徹底したいという方はお気軽にあかお歯科医院までご連絡ください。当院は、小児歯科はもちろん、子どもの歯並びの治療にまで対応している歯医者さんです。
