子供の歯の発育にはビタミンが重要?
歯は人体で最も硬いエナメル質で覆われており、その発育は食事から摂取する栄養素とあまり関係がないように思えますよね。けれども、歯の発育が進む時期に適切な栄養を摂っていないと、歯質の成熟が進まず、虫歯にかかりやすくなってしまうため要注意です。今回はその中でも歯の発育に重要な「ビタミン」に焦点を当てて詳しく解説します。
ビタミンAはエナメル質の発育に重要
ビタミンAは、歯の一番外側を覆っているエナメル質の発育に必須となる栄養素です。卵や緑黄色野菜、チーズなどに多く含まれていますので、歯の発育期にあるお子様には積極的に与えるようにしてください。エナメル質は、口腔に露出している部分であり、歯の健康を良好に保つ上で最も重要な組織といえます。
ビタミンCは象牙質の発育に重要
ビタミンCは、エナメル質の下に存在している象牙質の発育で重要な役割を果たす栄養素です。レモンやみかんなどに豊富に含まれており、習慣的に摂取するのはそれほど難しくありません。野菜ではピーマンやパセリ、ブロッコリーなど、お子様が嫌がるものが多いのですが、これらからはビタミンC以外にも重要な栄養素をたくさん摂取できますので、発育期に食べられるようにしておくと良いですよ。
病歯周病予防にも効果的?
ちなみに、ビタミンCは歯周病の予防や症状改善にも効果があります。歯茎の主な構成成分はコラーゲンであり、ビタミンCはコラーゲンの合成を促進する働きがあるからです。もうすでに歯周病にかかっている人は、歯茎が腫れて傷付いていますが、ビタミンCを毎日適切な量、摂取することで、歯茎の状態も良くなっていくことでしょう。
ビタミンDは歯を強くする
エナメル質や象牙質は、リンとカルシウムで構成されています。その点は、骨格を形成している骨とほぼ同じであり、ビタミンDを摂取することで強化することが可能といえます。なぜなら、ビタミンDはカルシウムの運び屋さんだからです。食生活が偏っていたり、日光に当たる時間が少なかったりするとビタミンDが欠乏して骨折しやすくなりますよね。歯に関してはそこまで弱くなることはありませんが、同じ硬組織(こうそしき)として悪影響を受けることは間違いありません。とくに発育途上のお子様は、健康な身体を作るという意味でも、ビタミンDはしっかり摂り入れるようにしましょう。ビタミンDを効率よく摂取できる食品としては、さんまやあじ、うなぎのかば焼きなどが挙げられますが、習慣的に食べるのは難しいため、卵類や乳製品、きのこ類などをバランスよく摂取するようにしてください。
ビタミンBは口内炎予防に効く
口内炎を繰り返し発症してしまう人は、ビタミンBを意識的に摂取するようにしてください。とくにビタミンB2とビタミンB6をしっかり摂取することで免疫力が高まり、口内炎ができにくくなります。ビタミンB2は納豆や卵、レバー、ビタミンB6は焼きのりやマグロ、ピスタチオから効率よく摂取できます。それと併せて、ビタミンCや鉄分、亜鉛なども摂り入れるとより一層、口内炎が生じにくくなりますよ。
まとめ
今回は、子供の歯の発育に重要なビタミンについて解説しました。ビタミンA、C、Dは歯の発育とかなり密接な関連がありますので、小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、推奨されている量を習慣的に摂取するようにしてください。発育期に十分な栄養を摂ることで、大人になっても虫歯菌に負けない強い歯を作ることができますよ。