デンタルフロスを使うメリット・デメリット
歯ブラシによるブラッシングは、虫歯予防の基本とケアですが、それだけではプラークフリーな状態を作ることは不可能に近いです。毎日、一生懸命歯磨きしていても、なぜか歯医者さんの染め出し試験で赤く染まった部分が目立ってしまう。そんな方は、是非とも日々のケアにデンタルフロスをご活用ください。
そもそもデンタルフロスとは?
ホームケアの補助的清掃器具としては、デンタルフロスと歯間ブラシが有名ですね。どちらも歯と歯の間の汚れを取り除くためのものなので、混同している方も多いことでしょう。この2つの違いは、汚れを取る部分の太さにあります。デンタルフロスは極めて細い器具で、歯と歯の間の距離がほとんどない人にも使えます。ですから、若い人から年配の人まで、幅広い年代の方におすすめできます。意外に思われるかもしれませんが、小さなお子さまにもデンタルフロスは使用可能です。
一方、歯間ブラシはデンタルフロスよりも太く、ある程度の歯間距離がなければ使用することができません。最もわかりやすい例は「すきっ歯」の人ですね。歯と歯の間に比較的広いすき間があるためデンタルフロスでは磨きにくく、歯間ブラシの方がブラッシングしやすいことが多いです。また、歯周病の進行や加齢によって歯茎が下がった人も、歯間ブラシの方が磨きやすいといえます。
デンタルフロスを使うメリット
デンタルフロスを使うと、歯ブラシによるブラッシングでは取り除けない歯間部の汚れを効率よく取り除けます。その結果、隣接面う蝕(りんせつめんうしょく)と呼ばれる、歯の側面の虫歯をしっかり予防できるようになりますよ。歯垢や歯石が溜まりにくくなることで、口臭も抑制されることでしょう。ちなみに、歯ブラシにブラッシングだけではどんなに頑張ってもお口の汚れの60%までしか除去できないと言われていますが、デンタルフロスによるフロッシングを組み合わせることによって、80%程度まで汚れの除去効果を高めることが可能です。歯科衛生士によるブラッシング指導やクリーニング、スケーリングを受けることで、さらに100%へと近づけられます。
デンタルフロスを使うデメリット
欧米では、デンタルフロスの使用は当たり前となっており、歯ブラシを使用することと同じように考えていただいた方が良いといえます。つまり、デンタルフロスを使用するデメリットは基本的にありません。それでもあえてデメリット挙げるとするならば、少ないながらもコストがかかる、口腔ケアにかかる手間が少し増える、慣れるまでに時間がかかる、といった程度です。
デンタルフロスは非常に安価であり、100円ショップでも手に入ります。フロッシングにかかる時間も丁寧に行って1分程度ではないでしょうか。慣れるまでには少し時間がかかりますが、上手に行えるようになると、虫歯や歯周病の予防効果が高まり、お口全体の健康維持・増進に寄与します。それらを踏まえると、デンタルフロスの使用には、デメリットを補って余りあるほどのメリットを伴うといえます。
まとめ
今回は、デンタルフロスを使うメリットとデメリットについて解説しました。口腔ケアで行うことがひとつ増えるため、始めは面倒に感じるかもしれませんが、虫歯・歯周病・口臭予防のために頑張ってフロッシングを続けてみてください。食べ物が詰まりやすい歯並びでなければ、デンタルフロスによるフロッシングは1日に1回でも十分です。そんなデンタルフロスの使い方や選び方について気になることがある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。