虫歯は子どもと大人で違う？効果的な予防方法を解説

2023年1月16日 (月)

カテゴリー：小児歯科

最近は、予防の考え方が広まったこともあり、大人になってから虫歯になる人が減ってきています。大人になってから虫歯が1本もできていないという人も珍しくありません。けれども、小さい頃となると話は少し変わりますよね。おそらく、多くの人は小児期に虫歯を経験していることでしょう。これは子どもと大人とでは、虫歯のなりやすさや進行のしやすさなどに違いがあるからです。今回はそんな虫歯という病気について、子どもと大人の違いをわかりやすく解説します。

歯そのものに違いがある？

虫歯の原因は、子どもと大人とで根本的な違いはありません。ミュータンス菌に代表される虫歯菌が歯に感染してエナメル質・象牙質を溶かしていきます。感染が神経にまで達すれば、ジンジンとした痛みが生じます。ですから、子どもと大人の虫歯の違いは、歯そのものにあるといえます。

子どもの歯の特徴は「やわらかい」「薄い」

子どもの歯の特徴を簡潔に説明すると、「やわらかい」「薄い」です。やわらかいとは、歯の表面を覆っているエナメル質の成熟度が低いことを意味します。いわゆる“石灰化”が十分に進んでおらず、虫歯菌が作り出す酸によって溶けやすくなっているのです。薄いとは、文字通り歯質の厚みが永久歯より薄いことを意味します。具体的には、エナメル質と象牙質が大人の半分の厚みしかないのです。この2点だけでも、子どもの虫歯リスクが高いことと、虫歯の進行が早いことは説明できていますよね。

口腔ケアや歯並びの違いも影響している？

大人になってから虫歯になることが少なくなるのは、十分な口腔ケアが行えていることも関係しています。人によっては、定期検診・メンテナンスを受けて、セルフケアでは取り除けない汚れまでしっかり除去しているかもしれませんね。一方、小児期は十分なケアを行えるようになるまでに、それなりの期間を要します。定期検診・メンテナンスを受けていないお子さまもたくさんいらっしゃることでしょう。さらに、大人の歯への生え変わり時期は歯並び・噛み合わせが安定せず、汚れがたまることで虫歯リスクが大きく上昇するため、十分な注意が必要です。