根管充填ってなに?【歯の根の治療の解説】
歯の根っこの治療は長い期間がかかるため、辛い思いをされている方もいらっしゃることでしょう。いわゆる根管治療には、処置の最中に強い痛みを伴うこともありますからね。そんな根管治療では「根管充填(こんかんじゅうてん)」というプロセスがあります。
歯医者さんの会話の中では「根充(こんじゅう)」と呼ばれることもある処置ですが、患者さんからすると何のことだかよくわからないかと思います。今回はそんな根管充填の方法や重要性について、つかもと歯科がわかりやすく解説をします。
根管治療のゴール?
根管充填は、根管治療のゴール地点といっても間違いではありません。なぜなら、根管内の無菌化が達成されてから行われる処置だからです。その名の通り根管に専用の材料を詰め込む処置で、それが終われば被せ物治療へと移行できます。ですから歯医者さんから「次回は根管充填を行います」と言われたら、いよいよ長かった根管治療も終わるのだと安堵していただいて良いです。
根管充填の内容
保険診療で行う根管充填では、主に「ガッタパーチャポイント」と呼ばれるゴムのような素材を根管内に詰め込みます。その際、殺菌作用のある薬剤も填入して、虫歯が再発するのを防ぎます。根管充填では、歯を強く刺激するようなことはほとんど行いませんが、何かの拍子に強い痛みが生じる場合はあります。そのため根管治療のゴールだからといって気を抜き過ぎるのもあまりよくありません。処置の最中に痛みが生じた場合は、すぐ手を上げて歯医者さんに知らせましょう。
根管充填後の痛みについて
根管充填後には、いくつかの理由で痛みが出る場合があります。根管内への処置がようやく終わったのにどうして痛みが出るの?と不安に感じる方も多いかと思いますので、次の内容を参考にしてみてください。
歯の周囲の組織への刺激が原因【正常】
根管充填の前後では、歯の周りの組織のさまざまな刺激が加わります。その結果、痛みを感じやすい状態となるため要注意です。根管充填の直後は、ある程度の違和感や痛みは避けられないものとお考えください。
未処置の根管が残っている
根管というのは、とても細くて複雑な形態をとっています。その中の1本でも処置が行われていない根管が存在すると、根管充填後も痛みが続く場合があります。とくに前から6番目の歯に存在していることが多い「MB2根」は肉眼で確認しにくいことから、未処置となりやすいです。
仮歯の噛み合わせが良くない
根管充填後に仮歯を装着している場合は、噛み合わせがきちんと調整されているかを確認しましょう。仮歯が高すぎると噛んだ時の圧力が患歯に集中してしまい、強い痛みを生じさせる場合があります。仮歯の噛み合わせの異常はできるだけ早く改善するのが望ましいです。
歯の根っこが割れている
ごくまれにではありますが、歯根にひびが入っていたり、割れていたりすることで痛みが生じる場合があります。根管充填から数週間経過しても痛みがなくならない、歯茎が腫れている、噛んだ時の痛みが強くなっているような場合は、歯根破折が疑われますので、早急に歯医者さんで診てもらいましょう。
まとめ
今回は、歯の根の治療の最終段階で行われる「根管充填」について、あかお歯科医院が解説しました。根管充填は、歯根の中をガッタパーチャや薬剤で充填する処置で、根管治療のゴール地点でもあります。それが終わったらいよいよ被せ物を装着するだけなので、もう少し頑張りましょう。