虫歯以外の原因でも歯が溶ける!?
虫歯以外でも歯が溶ける可能性があることをご存じでしょうか?実は、虫歯ではない病気や生活習慣によっても歯がダメージを受けてしまうことがあります。今回は、虫歯以外で歯が溶ける原因とその理由についてご説明します。
どうして虫歯以外で歯が溶けるの?
歯を構成しているエナメル質はpH5.5以下、エナメル質で覆われている象牙質もpH6.0~6.2の酸性の環境下で溶けると言われています。
歯が溶けることを「脱灰」と呼びます。歯は脱灰と唾液の効果による再石灰化を繰り返していますが、そのバランスが崩れると、口の中が酸性になり、歯が溶けてしまうのです。
虫歯になると、虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶けてしまいます。虫歯以外で口の中が酸性になる原因としては、生活習慣によるものや他の病気が考えられます。
歯が溶けやすくなる生活習慣として挙げられるのは、下記の通りです。
- お酢など酸性の飲み物を良く飲む
- レモンなどの柑橘類が好き
- スポーツドリンクを好んで飲む
- 炭酸が好き
全て飲食で口の中が酸性になるものです。溶けてしまった歯は元に戻りません。心当たりがある方は注意しましょう。
虫歯以外で歯が溶ける病気
では、生活習慣以外で歯が溶けるとしたら、虫歯以外にはどんな病気が考えられるでしょうか。
主な原因となりうる病気をご紹介します。
酸蝕症
酸性の食べ物や飲み物などで口の中が酸性になり、歯のエナメル質が溶けてしまう病気です。歯の表面にあるエナメル質が溶けると歯が敏感になり、冷たさや甘さに痛みと刺激を感じる(知覚過敏)ようになります。歯の痛みだけでなく、歯の表面が濁ったり、黄ばんだりと汚れてしまうこともあります。「歯が痛い、虫歯かな?」と思ったら酸蝕症だった、というケースもあり、歯の先がギザギザになったり、歯の詰め物や被せ物が外れやすくなる症状が特徴的です。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、胃酸が食道を逆流してしまう病気です。胃酸は強い酸性の液体で、胃酸がお口の中や食道にある状態では、口内が酸性になってしまいます。胃酸によって歯のエナメル質が溶けてしまうことがあるため、お口の中が酸っぱいと感じたら口をゆすぐ、水を飲む、といった対策が効果的です。歯が溶ける原理は酸蝕症と同様で、歯にも同じような症状が現れます。逆流性食道炎を指摘されている方は、お口の中の状態にも注意しましょう。
歯周病
歯周病によって歯茎や歯を支えている顎の骨が破壊されてしまうと、歯も溶けてしまいます。歯と歯茎の間のプラークに含まれた細菌が歯茎に炎症を起こし、ひどくなると骨が破壊され、歯が抜けてしまうこともあります。定期的な歯科検診で、虫歯だけでなく、歯周病のチェックを欠かさないことが大切です。
あなたの歯は溶けていませんか?セルフチェックしてみましょう
以下のチェック項目に当てはまる数が多い方は、歯が溶けている可能性があります。いくつ当てはまるか確認してみましょう。
- 炭酸をよく飲む
- 冷たいものや熱いものを食べると歯にしみる
- 胸やけがする
- レモンなど柑橘類を好んで食べる
- 硬めの歯ブラシを好んで使う
- 歯磨きをする力が強い
- 歯がとがってきた、薄くなった
まとめ
今回は、虫歯以外で歯が溶けてしまう原因をご紹介しました。口の中が酸性になる生活習慣や病気が原因となるほか、歯周病でも歯にダメージが加わります。
歯が溶ける病気は、早期発見・早期治療が大切です。歯に違和感を覚えた場合、知覚過敏の症状を感じる場合は、一度歯科医院までご相談下さい。