こんな症状ありませんか?お口の中の病気①
歯科医院では、虫歯以外のお口の中のさまざまな病気も診察しています。今回は、歯科で診療しているお口周りの病気をご紹介します。
口内炎
口内やお口周りの粘膜の炎症の総称です。栄養不足やストレス、口の中を噛んでしまったなど、あらゆる原因で発症しますが、ウイルス感染や病気の症状として現れることもあります。口内炎にはいくつかの種類があり、それぞれ以下のような特徴があります。
- アフタ性口内炎:免疫力の低下やストレスなどが原因でできる
- カタル性口内炎:虫歯、口の中のやけどなどが原因でできる
- ウイルス性口内炎:ウイルス感染によってできる
その他にも、アレルギーや喫煙が要因で発症する口内炎もあります。
症状
種類によりますが、円形または楕円形の白い潰瘍や赤いただれ、白い斑点などが生じます。再発しやすかったり、痛みを伴ったりする特徴があります。症状が長引くと、悪化して歯肉炎や虫歯につながることがあり、口腔内の悪性疾患も考えられます。
治療法
ビタミンやたんぱく質を積極的に摂取し、刺激物を控えて傷口に染みないようにします。口内炎用の治療軟膏を塗るのも効果的です。一般的には、1~2週間で治癒します。また、お口の中を清潔に保つことも大切です。虫歯がある場合は、すぐに治療しましょう。普段から口腔の健康を維持するために、定期的に歯科医院で検診を受けると良いでしょう。
口腔カンジタ
カンジタ症は、お口の中で発生する真菌による感染症です。本来は常在菌ですが、免疫力の低下など、何らかの原因で口腔内の細菌バランスが崩れると発症することがあります。急性型と慢性型があり、下記のような特性があります。
- 急性型(偽膜性カンジタ症):乳白色~灰白色の白苔がお口の中に付着します。白苔は拭うと剥がれ、その下は赤くびらん状です。白苔がみられない萎縮性カンジタ症と呼ばれるものもあり、偽膜性カンジタ症よりもヒリヒリした痛みが強い傾向にあります。
- 慢性型:白苔が剥離しにくく、上皮の肥厚を伴います。不潔な入れ歯やブリッジを使用していると、発症しやすいとされています。
症状
偽膜性カンジタ症では、口腔内に白い膜ができます。舌や粘膜が赤く腫れ、ヒリヒリとした痛みや味覚障害を伴うことがあります。放置すると、食道や肺などに感染が広がる可能性があるため、早急な治療が必要です。
治療法
歯科医院で口腔内の清掃、抗真菌薬のうがい薬や塗り薬、内服薬などの処方で治療ができます。
舌白板症
舌にできるざらざらした白斑状の病変です。舌以外にも歯肉や頬の粘膜にできることがあり、表面が赤いものもあります。約3~14.5%はがん化するリスクがあると言われており、歯並びの悪さ、尖った虫歯、合わない入れ歯などが舌を継続的に傷つけることが主な原因と考えられています。
症状
基本的に痛みはありません。ですが、赤い部分に潰瘍やびらんができると、その部分が痛むことがあります。
治療法
検査でがんのリスクが認められた際には、手術で病変部を切除し、経過観察となります。口腔内の環境や歯磨きと関係していることもあるので、歯科医院を定期的に受診することをおすすめします。
粘液嚢胞
唾液腺の管が破れて唾液が漏れ、袋状に膨らんだものです。口内を噛んだり、尖った虫歯などで唾液腺の管が傷ついたりすることで発症します。感染性の病気ではないため、他人に移ることはありません。
症状
大きさは5mm程度で、通常は痛みはありません。自然に消えることもありますが、再発するリスクもあります。
治療法
再発を繰り返す場合は、手術で切除することがありますが、自然に消えることもあります。他の病気の有無を確認するためにも、歯科医師に診てもらうことは大切でしょう。
まとめ
歯科と言えば「虫歯」を思い浮かべがちですが、診察している病気はそれだけではありません。早めの対処が必要なケースもありますので、虫歯に限らずお口のトラブルがあれば、歯科医院にご相談ください。