お子さまの発音が気になったことはありませんか?
お子さまが話している時に、「何だか、年齢の割に発音がはっきりしないな」と感じたことはありませんか?もしかすると「小帯異常」が原因かもしれません。小帯異常は発音に限らず、あらゆるトラブルを引き起こすことが考えられます。
「小帯異常」とは
小帯とは、歯肉の部分から舌や頬、唇に向かって伸びているヒダのことです。それぞれにつながっている部分の位置や動きをコントロールする働きを持っています。この小帯が短い、ついている位置に異常がある、肥厚している、といった場合は「小帯異常」として歯科検診などで指摘されることがあります。
小帯異常には3種類ある
小帯異常は、ついている場所によって3種類に分けられ、症状もそれぞれ異なります。
- 舌小帯異常
- 上唇小帯異常
- 頬小帯異常
小帯異常で困る症状とは
どのような症状が問題になるか、具体的に見ていきましょう。
歯並びが悪くなる
上唇小帯異常では、上唇が歯茎にくっついていてヒダが中央に盛り上がるようになっています。そのため、前歯の間が空いて「すきっ歯」の状態になることがあります。また、舌小帯が短いと舌が持ち上げられないため、前歯を押して「出っ歯」になりやすいです。歯並びや咬み合わせが悪くなるリスクが高いでしょう。
発音が上手くできない
舌小帯が短いと、舌の動きが制限されるので発音障害や咀嚼障害の原因になります。特に、舌の先の方を使って発音する「さ、た、な、ら行」が舌足らずになって聞き取りにくい傾向にあります。会話によるコミュニケーションの際に、「友達にからかわれるのが嫌だ」といった心理的な面でも悪影響を与えるかもしれません。
歯磨きしにくい
小帯が歯肉の上の方についていると、ヒダの部分に汚れが溜まりやすくなります。ブラッシング時に邪魔になって、きちんと歯磨きができず、虫歯や歯周病の発生が懸念されます。
小帯異常だと、歯科矯正が必要?
上記の通り、お子さまが小帯異常と診断されると、今後の歯並びに悪影響を与えることが考えられます。上唇小帯や舌小帯が短いと、成長に伴い、歯が正しい位置に移動できなかったり、舌で前歯を押してしまったりするためです。
状態によっては、小帯の切除も検討されるでしょう。しかし、切除したとしても歯並びが自然に改善されるわけではありません。歯並びを綺麗にするには矯正治療が必要です。小帯異常だと診断されたら、異常を指摘された小帯をどうするか、歯科矯正を行うかかどうか、歯科医師と相談することを推奨します。
小帯切除することも
歯並びや発音に影響があると、永久歯が生えてくる5~7歳前後を目安に小帯を切除することがあります。必ず行う必要はありませんが、保険適用で切除でき、未然にトラブルを回避することができます。
まとめ
小帯異常は、発音や歯並び、虫歯や歯周病などさまざまなトラブルの原因となります。お子さまの発音で気になる部分がある場合や、歯科健診で異常を指摘された場合は、一度歯科医院でご相談ください。適切な対処を行い、お子さまの将来のお口の健康を守りましょう。